CPUってなに?
よく「パソコンの頭脳を担当している」と例えられますね。
CPUの性能がいいほどパソコンの速度が早くなる(快適に操作できる)と思ってください。
CPUの性能をケチるとパソコン全体の速度が遅くなります。
- ワードやエクセルの操作が遅い。なんだかもっさりしてる。
- 動画編集しようとしたら、ソフトの起動に十数秒待ち。ファイルの読み込みでもまた待つし、動作は何をするにも遅くてとてもやってられない。
パソコンをサクサク、スイスイ動かしたい!という方にとってCPUは真っ先にチェックする必要があるパーツといえます。
「君のパソコンってどれぐらいの性能なの?」
「Core i7だよ」
こんなふうにパソコンの性能を代弁するために使われることもあります。
CPU次第で他のパーツの性能もだいたい予測がつくので話がしやすかったりします。
(メーカーパソコンはCPUの性能に合わせて他パーツのランクを決めていることがほとんど。いいCPUを使っているパソコンは、CPU以外のパーツもいいのを使っています)
CPUメーカー
パソコンで使われているCPUは2社しか製造していません。
Intel社(インテル)と、AMD社(エーエムディー。アムド、アンドと読む方も多いです)。
インテルはパソコンのCMでよく登場することもあり、聞いたことがあるという方も多いと思います。
(「インテル、はいってる♪」のCMフレーズでお馴染みですね)
世界中のパソコンの90%以上がインテル社のCPUを使っていると言われています。
エーエムディーは長らくインテルの唯一のライバルとして戦ってきましたが、インテルの圧倒的なシェアの前に知名度は高くありません。
しかし2017年に発売した「Ryzen(ライゼン)」という新しいCPUがマルチコア性能でインテル製品を超えた、という評価もあり数年ぶりに注目を浴びています。
CPUの種類
Intel社の主なCPU
Core i7 (コア アイ セブン) |
ハイスペック |
Core i5 (コア アイ ファイブ) |
ミドルスペック |
Core i3 (コア アイ スリー) |
エントリースペック |
Pentium (ペンティアム) |
廉価版 |
Celeron (セレロン) |
さらに廉価版 |
Atom (アトム) |
省電力特化。現在は開発終了 |
Core iシリーズは第8世代に突入している
実は同じ「Core i7」という名称であっても性能が全く違います。
というのもインテルは毎年のように新しいCPUを発表しており、「Core i」という名称をそのままに型番だけを上げているからです。
Core i7-8700
※赤字が型番
2018年7月現在で最も新しい世代は第8世代「Core i7-8700」です。
第7世代のCPUは「Core i7-7700」です。
後ろの数字が世代(型番)を表しています。
同じCore i7という名称であっても当然、新しい第8世代のほうが性能が優れています。
旧世代の「Core i7」よりも、新世代の「Core i5」のほうが性能が高い場合すらあります。(全ての世代に言えることではありません)
そのため、CPUを選ぶときには世代も見る必要があります。
最新の第8世代が最も性能も価格も高く、旧世代となった第7世代はお求めやすい価格帯のパソコンに搭載されるようになっています。
選ぶときには一つ前の世代(第7世代)であれば問題ないでしょう。
性能の高さを求めるのであれば第8世代を選ぶようにしましょう。
世代の話は「Core i7」だけでなく「Core i5」「Core i3」でも同様です。
Core i7-8×00
Core i5-8×00
Core i3-8×00
Core i7-7×00
Core i5-7×00
Core i3-7×00
Core i7-6×00
Core i5-6×00
Core i3-6×00
以下、第2世代までこのように型番で表現されます。(第1世代だけは型番が3桁)
※「x」の部分には色々な数字が入りますが気にしなくて大丈夫です。
Intel社のCPUでオススメは
インテル社のCPUでおすすめは「Core i5」か「Core i7」で第7世代以降です。
決して「Core i3」、「Celeron」も悪いCPUではないのですが、2台目以降のサブ用パソコン向けだと思っています。
1台目のパソコンこそ、ミドルスペック以上の性能を推奨します。
最初の1台で何でもすることになるため、非力なCPUでは思うように操作ができない、何をするにも遅くてパソコンに触るのが嫌になる、ストレスを感じる、遅いから結局スマホばかり触ってしまう、など悪い点ばかりが目に付きやすいです。
後述しますが、CPUの変更は後からできないため、いい性能を選んだほうが結果的にパソコンの製品寿命も長くなります。
AMD社の主なCPU
Ryzen 7 (ライゼン セブン) |
ハイスペック Intel社のCore i7相当 |
Ryzen 5 (ライゼン ファイブ) |
ミドルスペック Intel社のCore i5相当 |
Ryzen 3 (ライゼン スリー) |
エントリースペック Intel社のCore i3相当 |
Ryzenシリーズは第2世代に突入
インテル社の「Core i」シリーズと同様に「Ryzen」も型番で世代が表現されています。
Ryzen 7-2700X
※赤字が型番
Ryzen 7-2×00
Ryzen 5-2×00
Ryzen 3-2×00
Ryzen 7-1×00
Ryzen 5-1×00
Ryzen 3-1×00
※「x」の部分には色々な数字が入りますが気にしなくて大丈夫です。
AMD社のCPUでオススメは
エーエムディー社でおすすめのCPUは「Ryzen 5」か「Ryzen 7」です。
Ryzenは第1世代でも発売が2017年4月と新しいCPUのため、第1世代でも問題ないでしょう。
もちろん性能にこだわるのであれば第2世代から選んだほうが高速です。
CPUは後から取り替えられない
メモリやハードディスクなどは、ノートパソコンであっても後から交換ができるようになっているものが多々あります。
(もちろん自分でパーツ交換するのはメーカーのサポート保証外になります。)
数年後、メーカー保証が切れたパソコンに、速度が遅いから、容量が足りないからパーツ交換してみようかな。といったチャレンジもできるわけです。1,2万円程度の出費で数年パソコンの寿命を延ばせる場合もあります。
しかしCPUだけは、自分で交換することはできません。
ノートパソコンの場合、基盤にはんだ付けされていることもあり、外すことすら困難です。
デスクトップパソコンの場合でも、マザーボード(パーツなどが全て上に載っている一番大きい基盤)ごと交換しなければいけないケースもあり、容易ではありません。
だからこそ、CPUは最初から長く使える性能がいいものを選択するのがおすすめです。
まとめ
Word(ワープロソフト)とExcel(表計算ソフト)とインターネットをするぐらいであれば正直Celeronでも十分だったりします。
しかし快適に、とは言えません。毎日使うようであれば日々プチストレスが知らず知らずのうちにたまっていくでしょう。
パソコンを使っていれば、スマホで撮った写真を取り込みたいし、音楽も聞くようになれば、動画サイトを視聴したり…どんどんやりたいことが増えていきます。
動画を再生しながらワープロ操作しつつインターネットで情報収集、写真を編集してワープロに貼り付ける…といった複数のソフト(アプリケーション)を同時に使いながら操作するようになります。
性能のよいCPUを選べば、やりたいことがどんどん増えても、同時に使うソフトが増えていっても、快適な操作を維持出来るようになります。
パソコンを操作するのにストレスを感じるようになればパソコン離れも起きやすくなります。
そして、いいCPUを選べば製品寿命も長くなります。
だからこそ、CPUの性能はこだわって選ぶのをオススメします。
IntelとAMD、どちらを選ぶべきか
性能でいえば、上述したオススメCPUであればIntel、AMDどちらでも問題ありません。
おすすめCPUで遅く感じるのであれば、問題はCPU以外のところにある可能性が高いです。(ウィルスに感染している、ハードディスクが壊れかけている、メモリが少ない、など)
ノートパソコンでいえば、省電力に関してはインテル(Core iシリーズ)のほうが優れているため、バッテリーの持ち時間が長い傾向にあります。
Ryzenシリーズは「Core i」よりも価格面で安いというメリットがあります。
(Ryzen5とCore i5のパソコンを比較すると、Ryzen5のほうが1~2万円ほど安いケースが多い)
セキュリティの面で言えば、2018年の初めにインテル社のCPUに脆弱性が発覚というニュースがIT業界を震撼させました。
「Spectre」「Meltdown」と呼ばれるこの脆弱性は10年以上前のCPUから最新の第8世代「Core i」シリーズでも存在しています。
Intel社のCPUシェアの高さもあって、ほぼ世界中のパソコンがこの問題を抱えていると言えます。
Windowsやmacのアップデートで緩和策が導入されていますが、完全に対策ができているわけではありません。
そのためセキュリティを意識してRyzenを選ぶ方も少なくありません。
脆弱性を修正した第9世代「Core i」シリーズが発売されるのは2019年と言われていますが、開発が難航しているというニュースもあり、さらに遅れるのでは?という予測も出ています。
まだこの脆弱性を利用した悪質なウイルスやサイトが登場していないため、「気にしすぎてもしょうがない」というのが市場の空気でしょうか。インターネットで怪しいサイトに近づかないなど、基本的なセキュリティを意識するぐらいしかないと思います。